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トランプ大統領に寄せる期待
2018.1.2
 北朝鮮問題をもし解決したら、トランプ米大統領はノーベル平和賞ものだろう。武力行使をせずに解決するのが理想だが、もしかしたら武力行使しないで解決できるかも知れない。どちらも、トランプ大統領でないと難しいことだ。

 トランプ大統領は、行動が予測不可能で、非常識で、危険人物だと思われている。これを「わざとそう振る舞っている」と思うか、「非常識な狂人だ」と思うかは人それぞれだろうが、私は前者の可能性が高いと思っている。なぜなら、彼は有能で交渉好きなビジネスマンだからだ。

 日本の歴史上の人物では、織田信長をイメージすると分かりやすいだろう。マッドマン・アプローチと呼ぶ人もいるようだ。狂人のフリをすることで交渉を有利に進めることができる。これは、考えてみれば当たり前のことなのだが、実践できる人は少ない。自分の尊厳を犠牲にしなければならないからだ。

 お花畑思考の左派の人たちは、武力に頼らず外交交渉で解決できると信じているようだが、そもそも外交交渉とは、武力という背景がその成否に大きく影響するものである。

 レストランでのトラブルでも想像すれば分かりやすい。やさ男が何らかで店にクレームをしても、店側は合理的な範囲での応対しかしないだろう。では、客が屈強そうな大男だったらどうか? それでも「暴力をふるったら、通報するし、逮捕されるのだから、まさか手は挙げないだろう」と店側は思う。ところが、この男がいかにも非常識で物わかりの悪そうで、いざとなったら本当に暴力をふるいかねない感じであれば、コワイから、店側は合理的な範囲以上の譲歩をするかも知れない。要するに、外交交渉とは、

(1)武力という背景がある
(2)「それを本当に行使しかねない」と思わせる

の2点を満たしたときに、最も有利に進めることが出来るのである。

 話を戻すと、金正恩に核を放棄させるには、武力を行使するか、「このままだと本当に武力を行使される」と彼が確信することが必要である。では、そんなこと(特に後者)を、これまでの歴代アメリカ大統領にできたか。また、今後の大統領にできるか。こう考えると、トランプ大統領こそが、北朝鮮問題を解決できる可能性のある、稀有な存在であることが分かるだろう。

 曲解する人がいると困るので念を押すが、日本やその他の国に犠牲が出かねない武力行使に私は賛成ではない。だが、北朝鮮をこのまま放置することは危険すぎて、できない。しかし圧力「だけ」では解決できない。平和裏に解決できる唯一の道は、金正恩に「トランプはいよいよ本当に武力行使に踏み切る」と信じさせることなのである。

 そしてその芝居は、並みたいていの人には出来ない。いい人だと思われたいから。平和主義者だと思われたいから。そして、芝居がヘタだから。我々は、トランプ大統領に期待するしかないのだ。



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