「新しい日本語を作る会」 人称代名詞の統一 | 2004.11.13 |
日本語が他言語に比べて極端に人称代名詞が多いことは世界的にも批判されているところである。外国人や乳幼児が日本語を習得する際に、人称代名詞が多すぎて挫折するケースが非常に多いとの指摘もある。そこで、他言語と比べても最も高い水準にまで人称代名詞の統一を図るものとする。
種類 | 従来 | 統一後 |
一人称(I,us) | わたし わたくし ぼく おれ わし わがはい せっしゃ あたし あたい てめえ じぶん わたしたち etc | 私(わたし) |
二人称(You) | あなた きみ おまえ みなさん そち そなた そのほう 社長 おにいさん ねえちゃん おやっさん じぶん てめえ ぼく etc | 貴方(あなた) |
三人称(He,She,They) | かれ かのじょ あいつ そいつ やつ かれら etc | 彼(かれ) |
疑問代名詞(Who) | だれ どなた どいつ etc | 誰(だれ) |
例:
(従来)「ちょっとバカみたいじゃない?あたしたち」→(改訂後)「ちょっとバカみたいじゃない?私」
※特別に複数であることを表現する必要が認められる場合のみ、私に[たち]を付加して用いる。
二人称は「あなた」に統一する。漢字表記は「貴方」のみを残し他は廃止とする。また、「メガネ」「ノッポ」「ハゲ」などの外見を二人称の代用とすることも禁止である。
例:
(従来)「おい、そこのメガネ!」→(改訂後)「おい、そこのメガネをかけた貴方!」
「自分」・「てめえ(=手前)」・「ぼく」は、一人称にも二人称にも使われて非常にまぎらわしい言葉である。従ってこれらは単語として廃止とし、適切な人称代名詞に置き換えなくてはならない。なお、「Self」を表すときは「自身」を用いる。
例:
(従来)「自分、長野の人間なんで……」→(改訂後)「私は長野の人間なので」
(従来)「自分もうメシ食ったん?」→(改訂後)「貴方もうメシ食ったん?」
(従来)「僕おりこうさんだね、おなまえは?」→(改訂後)「貴方おりこうさんだね、おなまえは?」
(従来)「自分勝手」→(改訂後)「自身勝手」
三人称は、全て「彼」に統一する。男女での使い分けも、性差別を助長する原因になる上、性別不明の場合に困惑するので、男女ともに「彼」と表現する。
例:
(従来)「おれの彼女いま入院しててさ」→(改訂後)「私の彼いま入院しててさ」
(従来)「奴さん、とうとう死んじまったよ」→(改訂後)「彼、とうとう死んじまったよ」
(従来)「僕おりこうさんだね、おなまえは?」→(改訂後)「貴方おりこうさんだね、おなまえは?」
疑問人称代名詞についても「誰」に統一し、他は廃止とする。
当然、慣用表現も例外ではない。
例:
(従来)「どいつもこいつも」→(改訂後)「誰も彼も」
(従来)「ご来場の皆様にお知らせいたします」→(改訂後)「ご来場のあなたに知らせつかまつります」
※特別に複数であることを表現する必要が認められる場合のみ、人称代名詞「貴方」に独立語[がた]を付加可能だが、このケースではその必要がないことは明白。なお謙譲語は廃止で「つかまつる」を用いることはすでに周知の通り。
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