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お店で飲むときと違って、自分の家や友達の家で飲むと酔いが回る----そんなことが良く言われます。よく言われる理由として「やっぱり部屋だと安心して飲めるから酔っちゃうのかなー」というのがあり、半ば「通説」になっているような感があります。しかし、たぶんそれは重要な要素ではありません。
飲み屋(飲食店)で飲むときには、(1)今ある飲み物を飲み干し、(2)次の飲み物を注文し、(3)注文した飲み物が来る、というプロセスたどります。このとき必ず、店員を呼びつけてから注文した品が来るまでの間の「飲みたくても飲めない時間」が生じます。これが、家で・部屋で・旅館で飲むときとの決定的な違いになります。このため、店で飲むときには自然と、「飲まない時間」すなわち「休憩時間」がとれていることになります。
望むと望まざるとに関わらずこういった空白時間が生じるというのは、注目すべきことです。同じことは、スキーというスポーツにも生じます。(以前にも「スキーリフトの原理」として紹介したことがあります) スキーは、必ずリフトに乗っている時間が生じるため、どんなにガンガン滑ろうと思っても、必ず一定量以上の休憩時間がとられるというわけです。こういったことはいろいろな場で起きています。概してものごとは、スキー型と非スキー型に分類して考えると理解が深まると言えます。