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思想家T氏が語る
(労働と休日と“生きがい”について)
1998.7.29
【ある村民会館における後援会でのT氏の演説要旨:】

 日本人は働きすぎると言われるけれども、働くのがいけないとは言わない。サラリーマンの人生というのはずいぶんまた考えさせられるわけです。それは、週休二日というのは少なすぎる、夏休みが1週間というのは少なすぎる、ということです。そもそもこの「休み」という考え方がいけない。断じていけない。

 「休み」というのは、働いている状態が「通常」であって、ときどき「休む」という発想から来るのです。サラリーマンで長くいてると、あるいは学校教育の段階から根付いているのかも知れないけれども、とにかく「休み」という考え方がすっかり魂の奥底まで根差してしまう。この意識の根底には、休みは支配者から与えられるものという、「やぶ入り」のような感覚が離れずにいるわけです。

 しかし、私の考え方はそうではない。必要なときのみに働けばいいのです。だから、働いていない状態が「通常」であり、「今日は仕事だ」のように、労働日の方を特殊視する。そう言う意味で、「週休○日」という考え方をやめ、「週労○日」という風に改めなさいと、全国の労働者に訴えたい。

 具体的な数値で言うなら、週休4日に加え、1ヶ月超のバカンスが年に2回程度あるぐらいが、妥当なのではないでしょうか。この言い方は「労働=平常、休み=特殊」に基づく言い回しなので私は好まないけれども、数値的にはそんなものでしょう。それくらいになれば、もうさすがに文句は言わないと思うのです。

 こういうことを言うと必ず言われるのが、「仕事をしているからこそたまの休暇が楽しいのだ」「休んでばかりいても面白くないよ、生き甲斐がないじゃん」というようなことです。私はこういう意見を聞くと悲しくなる。前者は、「スイカに塩かけ理論」です。人生苦あれば楽ありだけれども、苦の部分がないと楽の部分が引き立たないと言うわけです。私はこういう数百年前の支配者が奴隷民を使うための慰めのような論理には同意できません。

 後者はどうでしょうか。仕事に生き甲斐が見いだせるのは、次の二つに集約されると私は考えます。つまり、

仕事そのものが楽しいときと、
向上心がくすぐられるとき

です。ひとつ目は創作的な仕事(芸術家など)で多く見られ、またスポーツ選手などもそうです。けれども、このような仕事は限られています。多くの場合は後者なのです。こちらははロールプレイングゲームになぞらえることができます。ゲームは続けるに従ってヒットポイントや攻撃力が増えて行き、以前は倒せなかった敵キャラを倒すことができるようになります。この快感こそが、本質的にロールプレイングゲームを支える唯一の要素です。それは現実社会では、社会への影響力を強めていくことができるとか、より具体的には出世してゆくとか、営業マンとして売上を増大していくことができるとか、そういうことに置き換わります。日本の、いや世界中の企業は、このことをうまく利用して、本来ちっとも面白くない仕事にホワイトカラーを没頭させることができるシステムを作り上げてきたのです。

 しかし、人生おもしろおかしく生きようというコンセプトには、これらはなじまないのは当然です。それはマラソンほどではなくても、自虐的な要素が含まれているように思えてなりません。人間は、「これだけ苦しい思いをしたのがこのように報われる」というのが意外と好きで、単に報われるだけでなく、その前の「苦しい思い」も少なからず重要視されているのでしょう。
おちけん さんのコメント:
「コウエン(公園)」で勝手に叫んでいる
ということでハイハイ!
No.6
アント さんのコメント:
これのどこが「後援」演説か? No.5
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