解散宣言・「正しい日本語を守る会」
「さ」入れ言葉は、日本語に混乱をもたらす 悪いタイプの乱れである
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「ら」抜き言葉はしばしば話題にあがるが、「さ」入れ言葉というのはご存じだろうか? 不要なところに「さ」を入れてしまうのである。これは使役を表す「せる・させる」という助動詞で、「れる・られる」と同じように五段活用・サ行変格活用の動詞に対しては「せる」を使うべきなのだ。
従って、以下の用法は誤りで、直さなくてはならない。
「やらさせていただきます」→「やらせていただきます」
「行かさせていただきます」→「行かせていただきます」
このような言葉をワープロで打って「変換してくれない!」と怒ったところで、仕方がないのだ。
それでは、このような言葉遣いは文法的に間違っているだけで、時代の流れと共に変わってゆくのを放っておいていいのだろうか? そうではない。この間違いは、「ら」抜き言葉のときとは違って、直すべき誤りなのだ。
例えば、課長であるあなたが部長に「君の部下にやってもらえないだろうか」と聞かれたとき、あなたは何と言うべきだろうか? あなたは自分自身でやるのでなく、あなたの部下に「やらす」のである。つまり、部長から見れば課長であるあなたに「やらせる」のではなく、あなたに命じて「やらさせる」ことになる。だから、あなたは「やらせていただきます」ではなく「やらさせていただきます」と答えるべきだ。
分かりにくい説明だったかも知れないが、「やらさせる」というのは「す・さす」という使役動詞が間に入って
「やる」+「さ(使役動詞「す」の未然形)」+「せる(使役動詞「せる」)」
という、二重使役動詞と解されるのが正しい文法なのだ。
「さ」入れ言葉を容認していると、より区別が付けにくい方向へ言葉が流れてしまい、また二重使役を言い表すことが難しくなってしまう。こういう変化こそ、日本語の「悪い変化」であると言えるし、「乱れ」ということができるとといえよう。
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