なぜ文科系・理科系という区分を人はしたがるのだろうか? 人によっては、理科系・文科系という順番で言うのを好むかも知れない。果たして、文科系と理科系は、何か厳密に区分されたものなのだろうか?
文科系・理科系という二分論が成り立つのかということ自体、非常に疑問である。文科系と理科系はひとつの連続体として存在するもので、一方の側を文科系、もう一方の側を理科系と呼んでいるだけかも知れない。このことは二分論そのものを否定することにはつながらない。いかに文科系・理科系が連続体上に分布するものであるとしても、確固たる境界が引かれるなら、二分論は依然として有効だからだ。むしろ、十分な合理性を持って引くことのできる唯一の境界線が存在するかどうかがポイントであると言えよう。
いずれにしても、文科系・理科系のレッテルは、いったん決まると一生それを背負って生きて行くことになる、非常に重要なものとなっている。これも奇妙なことなのだが、少なくとも現行の社会ではそうなっているようだ。
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