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中国は尖閣諸島、韓国は竹島を、日本と領有権を争っています。しかし、周辺国の真剣な取り込みに比べると、わが国は政府だけでなく、一般市民の領土に対する思いもそれほど深くないような気がします。
全くだ。
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やはり教育を変えて行かなくてはいけないのでしょうか。
もちろん、教育は大切だ。そして、ぜひとも、極東の地図を左に120度程度回転したものを、日常的にもっと用いるべきだ。
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それは、どういうことですか?
大陸の側から海辺に立って遠くを見た時に実感する、極東の構図とはそういうものだ。日本がいかに大陸に近くて、彼らが大洋へ出ようとする時に覆い被さる邪魔な存在に見えるかが分かるであろう。
まるで日本列島が彼らを大陸に封じ込めているかのように、この国は存在しているのだ。特に、中国から見た沖縄・南西諸島の邪魔くささといったら、相当なものではないか。ましてや、軍事的には支障が大きいだろう。
周辺国からしたら、「大陸に近いものも含め、島は全て日本のものだと言い張るのか?」……と言いたくもなるだろう。日本人が、「日本の辺鄙な離島は、大陸の国々に意外と近い」とまるで他人事のように感じているかもしれない一方で、周辺国では「我が国にこんなに近い島が、どうして日本の領土なんだ」と日々思っていたとしても不思議ではない。
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先生は、周辺国にも理解を示そうとしているのですか?
というより、日頃から日本人が地図をそのように見ていれば、領土問題について関心が深まるのではないかと思うのだ。自分たちの領土の一部がいかに大陸に近いか、そして周辺国から見てそれがどれほどの存在感があるか。そういったことを実感するようにならなければ、「辺鄙な離島の領有権でもめてる」という程度の認識にしかなるまい。
【T先生の推奨する回転した極東地図の例】