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思想家T氏が語る
(水産資源をひとりじめ)
2006.4.9
——  先生は、魚が大好きだとお聞きしました。長寿の秘訣でしょうか。
もちろんだ。それに、魚を食べられるのは、今のうちかもしれんからな。

——  え? まさか、どこかお体でも……
いや、健康そのものだ。

——  ではなぜ、今のうちだとおっしゃるのですか?
 私は、かねてから「日本的な食文化が海外に広まり、世界的に魚介類の需要が増える」ことに警鐘を鳴らしている。七つの海の海産物を日本が好きなように食い続けている、この状態は奇跡的なのである。
 たとえば、イカやマグロ、サケ・マスでは、世界の漁獲量の3分の1以上を日本が消費している。タコでは3分の2以上である。
 最近は、中国人がマグロを食べるようになり、マグロが不足して値が上がっているというではないか。欧米でも、狂牛病や鳥インフルエンザの影響で、魚食が注目を浴びている。こうして全世界が、日本と全く同じ食文化になってしまったら、その需要をまかなうだけの水産資源は、この地球上に存在しないのである。

——  なるほど。
 本当は、日本の魚食文化・食生活を守るために、水産庁あたりが戦略的にデマを流してもよいのではないか。「魚は実は体に悪い」とか、「日本人は魚ばかり食べるから胃ガンになる」とか、「魚はシワの原因になる」とか。

——  国家としてデマですか……どこぞのテロ国家みたいですね。
 そうはいっても、この国土の狭い日本は、島国の利点を生かして水産資源に食生活を頼ることで、面積の割に多い人口を養ってきたのだ。キャッチフレーズは「水産資源をひとりじめ」とやってもいいぐらいだ。「海のものは日本のもの 山のものも日本のもの」というのもいいかもしれない。

——  こ、後半はよけいじゃないですか? 前半もですけど。
 だが、水産庁も所詮、他の日本の役所と同じだ。国民生活、消費者を守るのではなく、供給者である漁業従事者を保護し、便益を図る方に動いてしまうようだ。こともあろうに、世界に日本の水産物を普及させるためのパンフレットを外国語で作成するなど、全く逆のことをやっているのだ。

(参考リンク)
http://www.jfa.maff.go.jp/release/17/17.0629.01.htm

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Bacame! No.9
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婆萱老! No.8
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