ビールを冷蔵什器から取り出しカゴに入れるのは結構面倒くさいので、6缶パックは便利でさえある。6缶パックがなければ5缶しか買わなかった場合にも、6缶買うという販売増効果もあるだろう。尤もビールは買い溜めが可能な商品なので、需要を前倒しし6の倍数としているに過ぎないので、本質的な販売増効果はない。むしろ、これまで友人との集まりなどで多様な銘柄のビールを少数ずつ買っていたケースが、少ない銘柄を6本単位ずつ買うようになったかもしれない。これは微妙に、消費生活の多様性を奪い、長期的にみれば銘柄数の減少に寄与するであろう。
だが、そんなことはどうでもいい。私が言いたいのは、24本入りのケース(段ボール箱)でも、箱の中に6本パック×4を入れるのはやめて欲しいということなのだ。私の経験と観察に寄れば、普通に24本入っている箱と、6缶パック×4で入っている箱がある。
【箱の中が6缶パックだと困ること】
(1)二重梱包
一種の二重梱包なのであるから、箱から取り出し、次にパックから取り出すという意味で、単に手間が増える。
(2)箱からビールを取り出しにくい。
取り出しにくいのである。1缶ずつ入っていても、決して取り出しやいとは言えない。(ひと缶取り出してしまうと、その段の残りは比較的取り出しやすい。次の段の最初は、また取り出しにくい。ビッチリ入っているからだ)
1缶の重量を摩擦と握力だけで取り出す時に比べ、その6倍の重量を取り出すのが大変なのは当たり前のことである。
(3)ゴミが増える。
6缶パックを構成する厚紙は、ゴミである。きちんとたたまないと、がさばるのだ。折りたたんでも、戻ろうとする力で自然とふくれる。私は段ボールをゴミにする時も、広がらないようにガムテープでとめるが、このパックもテープでとめないと、やはりゴミ箱の中でかなりの存在感を示す。古新聞の間に入れることもあるが、うまくやらないとはみ出る。
(4)ケガの元である。
6缶パックを開ける時のために粗いミシン目が入っているが、開封したあとのそのギザギザは、半ば凶器である。注意しないと手を切りそうだし、そうでなくとも手に当たると痛い。またゴミ袋に入れた時もこれのせいで袋が切れそうなのである。
小売店がビールを仕入れたときにも同じ24本入り段ボール箱で搬入されるのだとしたら、店頭に6缶パックが並ぶ以上、6缶パック×4が入った箱があって当然である。もしそうなのだとしたら、消費者に箱売りする際には、そうでない箱の方を充ててもらいたいものである。店頭でも1缶売りをしているのだから、あるはずだ。まさか6缶パックをお店でばらして売っているわけではなかろうに。