公衆の場での携帯電話の使用についてはすでに良く議論されているところであるが、携帯電話が登場して日が浅く、我々はこの新しい道具をどう扱って良いかわからず試行錯誤を繰り返している時期であるというのが私の見解であるということを前にも述べた。確かに他人が携帯電話でしゃべっているのは、迷惑なのである。しかし、普通におしゃべりすることがとがめられないような場ですら、携帯電話となると迷惑がられるというのは一体どういうことだろう?
良く指摘されることに、「電話だと声が大きくなる」というものがある。人間は相手の声が小さく聞こえると自分が大声でしゃべってしまうという習性があるらしい。公衆電話も最近普及しているISDN電話は別にして、相手の声が小さくて悩まされることが多い。とにかく、携帯電話端末のメーカー各社が受話部の音量をもっと大きくできるようにすることで、この「声が大きい」問題はかなり改善できることが期待できるのだ。
しかし、私が提示したい改善案は全く性質の違うものである。携帯電話が単なる会話に比べてとても気になるのは、相手の声が聞こえないことによる部分が非常に大きい。これを、普通の会話が周りに与えるものと同じくするには、電話の相手の声も周囲に聞こえるようにしてやることだ。つまり、携帯電話にスピーカーを内蔵させることを義務づけるのだ。クリアな音質であれば、周囲の人はそれが電話であることにすら気づかないというわけだ。
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