最近腹の立つこと
細ゴシック体が何故ない? 素人をバカにしたパソコン用フォント
|
|
フォントについて述べることが度量の小ささの露呈であると一部の人が考えているとしても、なお私はこのトピックを書かずにはいられないだろう。自分が作る書類や人がどうフォントを使うとか、そういうときに私はほとんどフォントにこだわらないが、単に長い電子テキストを読むためにプリントアウトするとき、読みやすいフォントの方がいいことは疑いない。そして、読みやすいフォントとそうでないフォントは確かに存在するし、それを気にしない人はそのことに気づいていないだけだ。これは多少の好みか関係するにせよ一般的な傾向としては断言して良い類だ。
コンピュータブームと共に、コンピュータ用フォントの品揃えもいよいよ豪華になってきた。数十書体をパックにして数千円で売っている例も珍しくなくなっている。しかし、それでも非常に重要な書体が発売されていないことに気づいているだろうか? それは、「細ゴシック」ないし「極細ゴシック」などと言われる、要は細いゴシック体である。そういう名前のフォントは発売されているが、写植や活字のそれに比べてあまりにも太すぎるのだ。
これがいかに重要な書体であるかは、身の回りのパンフレットなどの印刷物を見れば分かる。細いゴシック体というのは、明朝体と同じように、本文に頻繁に利用される。写植では当たり前のオーソドックスなフォントなのだ。
これがどうしてコンピュータ用に発売されていないのかと言えば、素人をナメているからだと私は思う。要するに、「ゴシック体」は太くしておかないと、消費者が明朝体との区別を分かってくれないと思っているのだ。ワープロなどに標準添付されるフォントでも、なぜかゴシック体は異様に太いのが現状だ。MSゴシック体などもそうである。こういったフォントは印刷するときに本文として使うとうるさすぎる。「強調体」やタイトル用として使うのがせいぜいだ。
今のところ私が持っている最も細いゴシック体は「平成角ゴシックW3」というやつだが、これより細いものが発売されてしかるべきだ。フォントの宣伝パンフ自体に細ゴシックが使われていることもあるが、それでもそのフォントはラインアップに加えられていないのだ。
「最近腹の立つこと」に戻る