最近腹の立つこと
歌手やお笑い芸人が「緊張してます」とか言うな
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2014.1.18
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スポーツ選手が「緊張している」とコメントするのは、全く悪いことではない。世界選手権やオリンピックなどに出場するときなど、勝負の前に緊張するのは当然だ。武者震いという言葉もある。
一方で、NHK紅白歌合戦などの大舞台で、歌手が「緊張してます!」などとコメントをするのを良く見るが、あれはいかがなものかと思うのである。
もっとひどいのは、若手お笑い芸人が言う「緊張してます」である。それも、お笑いグランプリの類ならまだしも、普通のテレビ番組でさえ、こう言っているのを頻繁に見る。
大舞台を前に武者震いをすること自体は、歌手やお笑い芸人にも、あるだろう。私が言いたいのは、「緊張するな」ということではなく、「『緊張してます』と言うな」ということなのだ。
歌手とかお笑い芸人というのは、舞台に立ったりテレビに出たりして、最高の歌や芸を披露するのが仕事なのである。まさに、その道のプロである。それでも緊張することがあるのは仕方ないかも知れないが、それはプロとして隠さねばならない。「緊張してます」という発言は、自らエンターテナーであることを忘れてしまっている証なのだ。
「緊張している」と吐露することで、緊張をほぐす効果を得ようとしているのなら、プロは失格であるが、まだ未熟者として仕方がない面もある。しかし、「緊張している」ということで何らかの免罪符になると思っているのなら、プロ意識の欠如が甚だしいと言わざるを得ない。
例えば3万円のチケットを買ってオペラやディナーショウなどを見に行って出演者に「緊張している」などと言われたら興ざめではないか。客は、緊張している人の演技や芸を見に行っているのではない(もっとも、火の輪くぐりでも見せるサーカスなら、緊張するのは当然だろうが)。
歌手が歌を歌うこと、お笑い芸人がテレビ番組に出ることで「緊張」していて、それを隠すこともしないのなら、もはや歌や芸でお金をもらう資格はない。
(但し、バカなアイドルが、拙さ・歌の下手さ・あどけなさなどをパッケージにして素人っぽいことを「売り」に商品価値を出している場合は、この限りではない。)
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