最近腹の立つこと
みかんをバラ売りか少量パックで売れ
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2011.12.20
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一部の読者は、またしても“食品小分け売りシリーズ”かとガッカリかもしれない。だが、このネタで私が近年痛感するのは、みかんであり、腹にすえかねて筆をとった。
まず現状から説明するが、私が日頃行く10軒ぐらいのスーパーマーケットでは、どこも、みかんは8〜12個ぐらい、398〜598円ぐらいのネット入りで販売している(もしくは箱売り)。Lサイズだと個数が減り、Mサイズ、Sサイズとみかんそのものが小さくなると、1ネットあたりの個数が増える。ハウスみかんの季節になると、なぜだか知らないが、6個入りがスタンダードになる。
バラ売りしろとまでは言わないが、1ネットの個数が多すぎる。
みかんは、重たいのである。仕事帰りにスーパーに寄った場合、片手にはカバンを持っており、もう片手で買い物袋をさげて帰るにあたり、このみかんの重量は実に深刻な問題なのである。みかんを買ってしまうと、もう、大根とか牛乳とか他の重量物はあまり買う気がなくなる。傘をささねばならぬ日は、みかんはあきらめざるを得ない。
当然、一人暮らしだったり、家族の中でみかんを食べる人が少ない場合は、こんなにたくさんのみかんは要らないのである。いずれ消費しきれる量だとしても、このように持ち帰りを考えると、買う気が失せてくる。
みかんが少量で販売されないのは、農家や農協の意向なのか、スーパーの方針なのか、分からない。しかし、これがみかんの消費量を押し下げているのは疑いがないと思う。バラ売りすると個数が出なくなると思っているかも知れないが、それは間違いだ。少量で買えないデメリットが売上を減らす方が大きい。ここは、たこ焼きや、大湧谷の黒タマゴとは、異なる点だ。いろいろな買い物をするスーパーの店頭では、「あきらめて大量に買う」という選択より、「あきらめて買わない」という選択がなされるだろう。クルマで大量の買い出しに来ているなら別だが、自転車のカゴの容量や、仕事帰りの人の片手で持てる量を、他の買いたい物と分け合わざるを得ないからだ。
親元で暮らしていた頃は、家にみかんが買ってあり、食べる習慣があった。だが、一人暮らしになると、とたんに、みかんを食べなくなる人が多いだろう。もちろん、よほどみかんが好きなら別だ。だが、みかんは別に食べなくてもすむものなので、特段の思い入れがなければ、少量で売っていなければ買うまい。
こういうみかんを食べない生活を経ると、やがて結婚して家庭を築いたときにも、もはやみかんを食べる習慣が失われているので、別に嫌いではないが昔のようには食べなくなる。そうでなくとも、昔より食べ物の種類は豊富で、バラ売りしている果物はいくらでもある。
みかん農家を守るために、また日本のみかん文化を守るためには、バラ売りか、3個程度での販売が、絶対に必要なのである。それで売上が下がると思うなら、割高にすればいいし、むしろ当然だ。10個398円なら、3個で198円だとしてもそれは仕方のないことだ。
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