最近腹の立つこと
医療費抑制のために薬学部の定員減らせ
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2012.1.19
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健康保険料の値上げが続いている。今年も、年収によるものの、月額で1,000〜2,000円ぐらい上がることになる(協会けんぽの場合)。このようなことになる原因はいくつかあるだろうが、私はその中で、調剤薬局のことを指摘したい。
医薬分業・院外処方が推進されて来た今、町の診療所にかかって、薬を買いに調剤薬局に行くといつも思うのである。人が多すぎるのではないか、と。
私が子どもの頃は、近所の診療所はだいたい医師一人と、受付・看護婦のような人が1〜2人いるだけで、つまりは2〜3人のスタッフでやっていたように思う。これで、薬まで出していたのである。
ところが、今はどうだ。町の診療所(今はクリニックと名乗るところが多いが)は、医師一人に対し、受付と看護婦で4〜5人いるのは普通だ。そして、薬は出さない。薬は別に、調剤薬局に行き、そこではまた4〜5人のスタッフが働いているのである。つまり、以前は医師含め2〜3人でやっていた仕事を、今は10人前後でやっていることになる。
もちろんここには、診療所と薬局の数が同じという前提があるが、現状を見ればだいたいそれぐらいの数あり、診療所一つにつき、営業時間から休業日まで合わせた調剤薬局が至近に存在するのが普通だ。この前提は、それほど外れてはいないだろう。
ではどうして調剤薬局にこれほどスタッフが多いのか。背景に、薬価が定められていて価格競争がなく、十分な利益が確保できて、スタッフを雇い入れるだけの金銭的な余裕があると言える。
私が一回、診療所にかかるたびに、これだけ多くの人の給料を私のカネと健康保険でまかなっていると考えると、保険料が値上げせねばならないのもうなずけてくる。調剤薬局をみていると、効率化の余地が相当ありそうである。
そのためにまず、大学の薬学部定員と、薬剤師国家試験の定員を減らしていき、業界全体で養わなければならない人数を減らすべきである。そうすれば、薬価だって下げられる。調剤薬局で働いている人の何割が薬剤師の資格を保有しているのか知らないが、あの人の多さを見ていると、毎年9,000人とも言われる薬剤師合格者数が過剰に思えてならない。
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