最近腹の立つこと
危なかった、JR恵比寿駅9時45分
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1997.7.18
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東京のJR恵比寿駅で、全く不意にドアが閉まった。朝の通勤ラッシュも終わった頃、私は山手線内回りの電車に乗っており、恵比寿駅で奥の客を降ろすために一旦ホームに出て待っていたのだ。しかし、私が再び乗り込む前に、電車のドアは突然閉まった。
そのドアの閉め方がいかに突然であったかは、説明するまでもなかった。私の他にも同じような立場で恵比寿駅に置き去りになった利用者がたくさんいたし、なによりも私の見える範囲で二人の利用者がドアに荷物を挟まれていたのだ。そのうちの一人は、まだドアの外にいる状態で荷物を挟まれた。駅員が車体の外側についている非常用ドアコックを使ってドアを開けて挟まれた荷物を取り、電車は発車した。なんと、私とその他数十人の客をおいたままである。
私は日本人の控えめな性格を誇りにしているが、こういうときにだれ一人文句を言わないのは考え物だと思う。確かに悪いのは駅員ではなく車掌だが、その場ではわれわれは駅員に言うしかない。私が駅員に「何かあったんですか?」と聞くと、「いや、荷物が挟まって」と言う。そんなことは分かっている。「でもドアの閉め方が異常に急だったんじゃないですか」と私が駅員に話していると他の客も「そう、今の閉まり方は突然でびっくりした」と言ってきた。駅員は「車掌がやることなので私には分かりかねます」と答えた。しばらく私がやりあっているうちに「申し訳ありませんでした」の言葉が彼の口から出てきた。だが、結局この件についてはおそらく報告も改善措置もなされていないのだろう。
もし列車が遅れているから急いでドアを閉めたのだとしたら、その判断はますます妥当ではない。列車が定時制を誇れるのは、好きな駅で降りられることが保証されているからだ。降りたい駅で降りる前にドアが閉まったり、上述の事件のように他の駅に置き去りにされたりする危険性があるなら、いくら列車が定時に運行されていても乗客はその恩恵を受けることはできない。そうでなくとも、このようなことが頻繁にあると、ドア際の客は一旦ホームに降りて奥の客を出すという行為をしなくなり、乗降はスムーズに行われなくなるだろう。
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