最近腹の立つこと
休日の男性、カバンがない
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1998.2.2
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ビジネスマンが仕事の時には、ビジネスバッグでも持とう。中学生が塾に行くのなら、肩掛けカバンでも持とう。山や野原にピクニックに行くのなら、リュックサックでも持とう。女性ならハンドバックでもいいし、DCブランドの紙袋でも良い。
しかし、男性がカジュアルに持ってサマになるカバンというのが、どういうわけか、ないのである。セカンドバッグが比較的その用途に叶おうが、怪しい金融屋か良くてもおじんくさく見えてしまう。肩掛けカバンはなおダサい。休みの日にアタッシュケースでも持とうものなら滑稽きわまりないし、リュックサックは場所を選ぶ。
デパートを歩いても、オペラを見に行っても、公園をぶらついてもバーで飲んでも、そういうときに持っていて不自然じゃないカバンが、男性には徹底的にないのである。町で周りを見回せば、何も持っていないか、セカンドバックを持っていてオヤジっぽいか、服装に合わないのをかえりみずリュックをしょっている人が多いことに気づくことになるだろう。
私は良くこの不満を人に話しては賛同を得るが、中でもある女性と話していて興味深い意見を聞いたことがある。男が持ってサマになるカバン云々の問題ではない。男がカバンに入れて持ち歩くようなものを持っていること自体がカッコわるいのだと。
まあそうはいっても、実際には電車で読む本とコンタクトレンズのケースと携帯電話、というくらいの荷物は出てしまう。雨の予報があれば折りたたみ傘だって必要だ。一体そういった荷物を、われわれ男性はどうやって持ち歩けと言うのだろう? 技術的にもコスト的にも何の問題もないハズの、そしてこれほど日常的に使うハズのものが、世の中にないという現実は一体どうしたものなのだろうか。
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