東京駅の上越新幹線ホームでは、上越新幹線と長野新幹線が同じホームを共有していて、不規則に発着する。ところで、上越新幹線の名前は「あさひ」、長野新幹線の名前は「あさま」である。ともに「あさ」で始まるひらがな三文字で、非常に紛らわしい。私は長野新幹線の開業後もすでに四回も同ホームを利用しているが、いつもこんがらかって分からなくなってしまう。
日本人の私ですらこうなのだから、オリンピックにやってきた外国人が混乱したことは想像に難くない。ASAMAとASAHIの区別なんて彼らにしてみればほとんど不可能だろう。(こういう例で私はカタカナの「ソ」と「ン」の違いをいつも思い出す。この二文字の違いの微妙さといったらほとんど狂気だ。このことからも、全てのふりがなはカタカナではなくひらがなでふるのが妥当だ)
これらの新幹線の名称にどのような歴史的な事情があるか私は知らない。しかし、話は「あさひ」と「あさま」にとどまらない。新幹線の名称は、どれが何線で、どっちが速いのかなどが、まるで分からないのだ。もちろん「ひかり」と「こだま」は別格としても、ほかはメタファーを解釈してもどちらが早いかとんと分からない。
特急にひらがなの愛称を与えるのは鉄道ファンを満足させる要因の一つなのかも知れないが、ハッキリ言ってわれわれには不便である。新幹線は、全て「○○行き快速」「○○行き鈍行」と呼んで放送や表示をしてもらいたい。そうでなければ、二本のホームを五種類の新幹線で共有している東京駅など、いつになっても混乱が絶える日はこないだろう。
2003.6.1 追記
2002年12月改正で上越新幹線「あさひ」は「とき」に改称されました。名称変更の最大の理由は、「長野新幹線〔あさま〕と1文字違いで、誤乗が後を絶たないから」だったようです。
http://homepage3.nifty.com/toki-exp/history/history7.html