最近腹の立つこと
家系カップラーメンを次々出すな
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2002.7.6
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人気ラーメン店と提携し、その店の名前をネーミングしたカップラーメンが、スーパーやコンビニエンスストアで実にいろんな種類が売られている。いわゆる「家系(いえけい)」といわれるやつだ。これとの直接の因果関係ではなかろうが、どうも「家系ラーメン」が出始めたころから、カップラーメンの分野では商品の寿命(サイクル)がとても速く短くなったように思える。
私は新しいカップラーメンが出ると食べてみたくなる、“カップラーメン好き”だ。「家系」以来カップラーメンの新商品が出るサイクルが非常に短くなり、私は数ヶ月間、朝食全てをカップラーメンに割り当て、毎日もくもくと食べていたことがある。
どうしてそれをやめてしまったか? この理由は私の胸にとどめておくべきではない。業界のそういった傾向が彼ら自身の首をしめてしまっている現状を訴え、カップラーメン愛好家としては、もう少しサイクルを延ばして欲しいからだ。
私がやめてしまった理由はこうだ。まず新商品をあさって食べてみて「おいしいな」と思っても、それが結局さらなる新商品に取って代わられてしまい、市場から姿を消す。せっかくおいしいものを見つけてもあまり報われないのだ。それに加え、あまりの商品乱発の上、デザインや主張・ネーミングも似たり寄ったりで、「おいしい」と思った商品をキチンと覚えておくことができない。結果として、おいしかったはずのものと違うものを買ってしまう。どれを食べたかすら明確に覚えていないので、「まずい」と思った商品をまだ試していないと思いこんで再び買ってしまう、などのミスが増える。これも、いろいろな新商品を試す意義を危うくした。この二つの理由から、どうせおいしいラーメンを探し当てても、同じものをまた買える可能性があまり高くないのである。だとすれば、新商品をあさる意義はもはや、あまりない。
メーカーとしては、「家系」ラーメンはパッケージやネーミングが目を引くせいか分からないが、とにかく新商品を出すごとに売上を伸ばしたのだろう。しかしこの売上の伸ばし方は極めて「安易」であるばかりでなく、麻薬的で、それでいて持続可能なものではない。結果として消費者を裏切ることになりかねず、消費者のカップラーメン離れを起こしてしまっていると言えるのではないか。マーケットデータを調査したわけではないが、私のように考え、新商品を追いかけることに飽きてしまった愛好家も他にいるのではないかと考えるのである。
脱・カップラーメンを決めた私は、今はとんこつベースの袋めんに入れ込んでいる。仕掛人がいるような気もするのだが、最近は大手メーカーによるスナックめんの袋めん(代表的なのはサッポロ一番みそラーメンである)とは別に、200円〜300円ぐらいする九州の小さなメーカーによる袋めんが結構いろいろ販売されている。これは麺がラーメン屋で食べる九州風の製麺のそれに近く、非常に美味しく、それでいて賞味期間が従来の袋めんの3倍近い。
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