最近腹の立つこと
なぜウソをつく? IP電話とビジネスフォン業者 - 悪質な電話関連営業
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2003.9.23
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事務所に来る営業マンやセールスの電話で非常に多いものに、ビジネスフォンを売る業者と、IP電話の勧誘というのがある。しかし、これらの売り込みは、コピー機・保険・投資・人材派遣などの良くある他分野のセールスと違い、非常にタチが悪い。というのは、平気で出だしからウソをつくからだ。彼らは最初の一言目で、次のようなことを言う。
・「NTTの電話工事の件でお電話いたしましたが、電話関係ご担当の方はいらっしゃいますか」
工事なんか頼んでいないし、また、しなくてはいけない工事でもない。単に、ISDNなどに乗り換えさせてビジネスフォンを入れさせるか、IP電話に勧誘し、その末に必要となる「工事」の話である。NTTと誤認させるしゃべり口であるが、NTTではない。
確かに「工事」と関係あるかもしれないが、まだ頼んでもいないしやるかどうかも分からない「工事」の件だ。これは、注文していない商品の「納入の件でお電話しました」と言っているようなもので、ウソといって良いレベルである。
・「回線のデジタル切り替えの件でお電話いたしましたが……」
・「このたび○○地区がデジタル切り替えすることにしましたので……」
いずれも、ビジネスフォンを売り込むための口実である。結局、ビジネスフォンを売る話になる。「水道工事により断水します」というお知らせに近い、一種の告知と勘違いさせて、とりあえず話を聞かせる手法だ。この、まるで「デジタル切り替えをしなくてはいけない」かのようなしゃべり口は、明らかにウソである。
同様に、IP電話の勧誘でも同じような口ぶりが使われる。これらは特別に悪徳業者というわけではなく、この業界ではほとんど9割以上の確率でこのような手口を使うのである。
こういうウソをつく理由は簡単だ。一に、彼らは電話関連の担当者に取り次いでもらわなければならないが、そのためには「セールス」と悟られないことが重要である。二に、まるでしなくてはいけない工事であるかのように誤認させ、受注率を高めるというものである。彼らは彼らの利害で動いているわけだし、そういうテクニックが有効だというのは分かる。しかし、他の分野のセールスでは、大抵、「ここまで図々しいウソ」を「どの業者もそろって」「最初の一言めから」は、ついたりしない。どうして電話関連の業界が、このように突出していかがわしい手法をとるのかはナゾである。
【ビジネスフォン】
ビジネスホン。複数の電話回線を引いて、どの回線の電話も各席で取れるようにするには、原則として主装置付きのビジネスフォン・ホームテレフォン(またはPBX=構内交換機)を導入する必要がある。
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