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骨川家の場合は、特に顕著ですが、一般的に言って、父親と母親が似ているのは決して偶然ではありません。
異性に対する好みというのは、遺伝する要素の一種であります。もちろん、遺伝だけで好みが決まるわけではありません。ですが、異性に対する好みが子供にある程度遺伝するのは、当たり前のことです。例えば、クジャクの雌は、尾が長く鮮やかな雄に惹かれます。これは、遺伝によりそうなっていると言えるでしょう。同様の傾向は、各種の動物に見られます。
人間の男性は、人間の女性と結婚します。誰でも自分の好みの異性と結婚できるわけではありませんが、互いに「許容範囲であった」とか、「平均的な異性に比べれば比較的好みの異性と結婚する」というのは、傾向として、まず認めて良い事実だと思います。そうして結婚した男女の間に産まれた子供は、外見的に、父親と母親に似るでしょう。これは私たちが経験的に知っている事実です。
それと同様に、その子供は、「異性の好み」に関する遺伝も受け継いでいます。父親は母親のことが好きだったわけですから、その息子も女性に対する好みとしては、母親と似た人がタイプであることは十分考えられます。ところで、息子は母親の外見も遺伝により受け継いでいますから、自分と似ている人は母親にも似ているわけで、自分に似ている人は好みのタイプである可能性が高いわけです。娘の場合も同様の論理です。
そんなわけで、人間というのは自分と似ている異性が、案外好みであることになります。スネ夫のお父さんとお母さんは、さぞかし熱愛の末に結婚したことでしょう。のび太の両親はよく夫婦げんかをしていますが、2人はスネ夫の両親ほど似ていませんから、互いにそれほど好みではないのかもしれません。
また、太った人の配偶者は太っているケースが多いのも、別に不思議なことではないと言えます。