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松阪市で松阪牛、米沢市で米沢牛、誰でも考えることです。もちろん、何も牛肉に限った話ではありません。一般に、この手の名の通った食品では、「産地ではかえって高くなる」という現象があります。
観光客は、少々高くても「せっかくここまで来たのだから」という理由で、財布のヒモがゆるみます。単にそれだけのことです。
総生産量の限られた食品であれば、これは顕著です。東京のデパートでも高値で売れるのであれば、地元だからといって安く捌く理由はありません。むしろ、東京で売るよりも高い値段を付けても、売れるでしょう。
ですから、産地なら安いと思ってそこに食べに行く、というのはあまり賢いことではありません。
確かに、単純に運送料の分だけ安くなっても良いという、合理的な理由があります。しかし、運送料と比較してそう高くない食品の場合でないと、その恩恵にはあずかれないのです。