解散宣言・「正しい日本語を守る会」
一般
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2002.5.12
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芸能人が、芸能人以外の人を指して、「しろうと」と言うのは正しい。芸能人というのは芸に能がある人である。一方で、私などを含む人たちは、芸のシロウトである。この表現は一見失礼に当たるようであっても、言葉遣いとしては間違いではない。「芸のシロウト」に過ぎないのに「芸の」を省略するのはけしからん、と言ってはいけない。彼らは芸で食っているのであり、玄人・素人を論じるときは常に「芸」に対してに決まっているのだ。これは、日本人が「外人」と言えば、日本人以外を指すのが当然であるのと同様である。
それに比べると、芸能人がそれ以外の人を指して「一般の方」というのはおかしい。「一般」とは、「私たち以外」という意味ではない。一般かどうかという意味では、彼らだって「一般人」のはずだ。それとも、自ら自分たちのことを指して「特別だ」と言いたいというのか。それこそおごりというものだ。本当に誰が見ても「一般」でない人と言えば、皇族ぐらいではないのだろうか。
高速道路では最近はETCに対応した料金所が増えてきた。料金所でも「ETC」「一般」「ETC/一般」という表示がなされ、ETCを装備していないクルマは「一般」と書かれたゲートに行かなくてはならない。しかし、この「一般」はおかしい。「一般」とは、「それ以外」という意味ではない。それに、日本道路公団としては、ETCの普及率を高めて、ほとんどの人が「ETC」を通るようにしたいのではないのか。「ETC」「一般」などという区分は、いつまでもETC搭載車が少数派であり、「特殊」でありつづけることが前提のようで、滑稽ですらある。
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