最近腹の立つこと
愚かしいドメインの分類
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1998.4.18
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インターネットのアドレスは、ドメインと呼ばれる末尾の部分を、abcd.co.jp、xyz.or.jp のように表記する。一番後ろのjpは「日本」を表している。では、後ろから二番目の区切り部分がどのような意味をお持ちか知っているだろうか?
co -> 企業
ac -> 教育機関
go -> 政府機関
or -> 各種団体
今さら説明しなくても、ほとんどの人が知っているだろう。では、ここで問題である。どうしてこのような分類をするのであろうか?
多くの人はこの分類を知ったときに、「なるほどね」とか「やっぱりね」とか感じたのではないだろうか。しかし、この「なるほど」「やっぱり」というのは、coというのが企業を表すこと、goというのが政府を表すことに対して「なるほど」「やっぱり」なだけであって、このような分類をすること自体に感心しているわけではないハズだ。
インターネットの階層的なアドレス構造から言って、将来のアドレス需要の増加を見越して、余裕を持って一階層挟んでおこうというのは悪くない。にもかかわらず、それ以外の意味において現在の分類はアドレスを有効に使っているとは言い難い。なぜかと言えば、後ろから二番目の区切りは組織の特性から自動的に決まってしまうものだからである。
例えば全国にある三河屋という酒屋が新しくアドレスと登録しようとしても、三河屋は企業なのでcoを使わざるを得ない。従って、全国でmikawayaというアドレスはただ一つmikawaya.co.jpしかつくれない。後ろから二番目の区切りがせっかく用意されていても、その恩恵はこうむれないのだ。かといって、mikawaya.go.jpなどという政府機関は最初からほぼありえない。私が言いたいのは、このような分類をしても、後ろから三番目のアドレスが後ろから二番目が違うもの同士でぶつかることはほとんどないから、何らアドレスの有効利用につながらないということである。現在行われていることは、例えば「三番目のアドレスの先頭の1文字を二番目のアドレスとして用いよ」という規則程度にバカげているということだ。
www.asahi.a.jp
www.biwa.b.jp
www.tom.t.jp
分類というのは非常に大きなテーマであり、恣意的で楽しい作業でもある。しかし、意味のない分類をすることで、利用上の手間を増やすようなことがあってはならない。もう少しましな分類を考えるべきであったろうに。
※念のために書いておくと、「アメリカでは一番後ろのドメインがcomやgovなどで運用されているのを日本では後ろから二番目にもってきている」という事実は、私の論旨に対して何の反駁にもならない。
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