最近腹の立つこと
スキー場リフトの密度について
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1999.3.16
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ある見方によれば、スキー場には概して二種類ある。一つは、単一の資本で開発され、ゲレンデ中の全ての飲食設備が同じ経営母体による場合だ。この種のスキー場では、どの飲食設備でも同じようなものが同じような値段で提供されている。スキー場内の飲食店は事実上競争がないため、劣悪で画一的である。一方で、いろいろな店が入り乱れているスキー場もある。古いスキー場に多いが、こちらの方が選択肢が多くて楽しい。
新潟県に石打丸山というスキー場がある。このスキー場も上の分類で言うと後者にあたる。しかるに、このスキー場はどうも心地よくない。ゲレンデが混んでいるのだ。
だからどうしたというのだ? 一体私は“ゲレンデが混んでいる”と表現することで何が言いたいのだろう? 混んでいると言うことは人気があると言うことではないのか? いや、私が言いたいのはこうだ。
実はスキー場というのは、どれだけ客がたくさんやってきても、ゲレンデの混雑度はある一定値以下に押さえられる仕組みになっている。客が増えても、リフト乗り場の列は長くなるかもしれないが、リフトの運ぶ人の量は一定であるから、ゲレンデに送り込まれる人の量もそれを上回ることはないのである。そのため、リフトは混んでもゲレンデはそんなには混まない。ゲレンデがうんと混んでいるとすれば、それはスキー場がうんと繁盛しているからではない。ダメなスキー場なのだ。
ゲレンデが混むスキー場は、ゲレンデ面積に対するリフトの本数が多すぎるのである。このことは、リフトを増設し顧客サービスを充実させているようにもとれるが、いかんせん危険である。ゲレンデの人口密度があまり高いと、衝突などの事故の起こる可能性が高くなる。
では、危険を理由に単位ゲレンデ面積に対する総リフト延長を規制すべきなのだろうか? 多くの規制は、このような安全面の理由から課されるのだろう。私は規制派ではないので、そんなことは言いたくない。スキー場には、その重要なデータの一つとして、リフトの本数やゲレンデの面積などだけでなく、単位ゲレンデ面積に対する総リフト延長といったものがあっても良い。その手の雑誌で、指標化して一覧にしてくれるとなお良い。
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