最近腹の立つこと
営団と都営の基本料金は統一しない方が良い
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1998.6.14
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東京の地下鉄は8本が営団、4本が東京都交通局(都営)によって運営されており、料金体系が異なる。営団と都営を乗り継ぐと、最低料金にあたる事実上の基本料金が二社分加算されてしまい、うんと高くなる。
このことの是正は前から求められており、将来地下の環状線となる都営12号線(なんていう名前になるのだろう?)が開業してからは、ますます現実に検討せざるを得なくなるだろう。
だが、私は今のままでよい。「基本料を一緒にして欲しいよ」などという人は、多分きちんと理解していないのだ。基本料の統一は値下げを意味するのではない。しょっちゅう都営と営団を乗り継ぐ人ならともかく、そうでないのに統一を望む人は、勘違いしているのではないだろうか。
現在では営団の最低料金は160円、都営が170円であるが、もし基本料を統一という話になると、最低料金は200円は下らないだろう。当たり前である。両者の総収入が減る形での統一はあり得ないから、営団だけしか乗らない人、都営だけしか乗らない人が、両者を乗り継ぐ人の分まで少しずつ負担しなければならなくなるからだ。
これで分かりにくければ、こう考えればよい。現在都営と営団を乗り継いだ場合の最低料金は若干の割引が適用されて280円となっている。だが、基本料金統一のあとにこれも170円前後となったとしよう。差額の110円は減収となってしまう。このような形での制度変更はあり得ない。私は当局のリストラ等の企業努力で110円程度は吸収可能だと考えてはいるが、にもかかわらずそうなることはあり得ない。競争がない鉄道会社である上に、役所・公団という特性もそなえた営団/都交通局である以上は。
つまり、基本料の統一は、頻繁に都営と営団を乗り継ぐ人がトクをして、そうでない人はソンをする仕組みなのだ。私は、私用で都営に乗ることなどほとんどない。基本料金の統一は迷惑も甚だしい。本当に都営と営団を乗り継ぐことの多い人が基本料金の統一を訴えるなら文句は言わない。だが、深い考えもなしに、みんながトクをすると勘違いして、知ったような顔をして基本料金を統一してくれなどとは決して言わないで欲しいというのが、私からのお願いなのである。
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