高速道路のパーキングエリアやサービスエリアの駐車場は大変危険である。歩行者と自動車が入り乱れているという意味においても十分危険であるが、それだけならその他の駐車場と同じである。しかし、私には、どうしてもパーキングエリア内ではその他の駐車場にくらべて事故が起きやすいように思えて仕方がない。
実際に事故はよく起きるだろう。しかし、それは1台の平均駐車時間が一般的な駐車場と比較して著しく短いことに起因するのであって、そういうことはあまり私の興味をそそることがらではない。そうではなく、パーキングエリアは多くの場合そのつくりが、はじめからムリがあり、どう考えても事故が起こりやすいように思えてならないのだ。下に示す図は、一般的なパーキングエリアの構造である。
本線から進入したクルマは、たいていの場合建物に近い奥側の通路Aを通ろうとする。しかし、諸施設から近く便利であることから、通路Aに面したスペースは図のように満杯であることが多い。通路Aを通ってスペースを見つけられなかったクルマは、矢印のように通路Bに逆から進入して良いのだろうか? 通路を本線と反対方向に走行するのは、明示的にあるいは道路のペイントで禁止されているように見える。しかし、そうすると、通路Bでは駐車スペースが空いているにもかかわらず、通路Aに進入したクルマは、あきらめてパーキングエリアを出るしかなくなってしまう! 矢印のように逆走したとしても、事故の起きやすさが増すことは間違いない。
それでは、パーキングエリアは最初に通る通路決めがとても重要で、ここで判断や予想を誤ると、あきらめる以外ないのだろうか? 道路公団もこの問題には気づいているのか、いくつかのパーキングエリアでは、入り口付近にどの通路の駐車スペースがすいているかを示す表示板が設置されている。
いずれにしても、パーキングエリアは以上のような理由から、必然的に混乱しやすい場所となっている。この混乱を回避するためには、全ての通路を明示的に双方通行とし、左側通行を遵守させることが必要だろう。道路にそのようなペイントを施せばそれで済むことなのだ。
2001.5.14
このほど中央自動車道・談合坂パーキングエリアの改築に伴って、各通路に、「満車」「空車」の表示が出るようになった。今後はこういった対策が広がっていくことだろう。