最近腹の立つこと
フリガナでなくふりがなをふらせろ
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1999.5.16
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各種の申込書やなんかに、読み仮名をふる欄というのがついていることが多い。読み仮名の必要性は、ワープロの普及によってさらに増してきた。データとして打ち込む場合には、読み仮名を入力して変換するのが一番ラクだからだ。そうでなくても読み方が分からないと困ることはあるだろう。では、諸外国ではどうなのだろうか。英語の名前で読み方が分かりにくいのもあると思うが、いちいち発音記号で読み仮名をふらせたりはするまい。簡単に読み仮名をふれるのは、日本語が純粋な表音文字を持っていることの恩恵でもある。
さて、この読み仮名は「ふりがな」と書かれた場合にはひらがなで、「フリガナ」と書かれた場合にはカタカナで記入するのが常識となっている。そして、どういうワケか、ほとんどの場合「フリガナ」と書かれている。では問題である。カタカナで読み仮名を書かせることに、誰にどんなメリットがあるというのだろうか?
カタカナは、もともと非常に判読しにくい文字である。「ン」と「ソ」、「シ」と「ツ」の違いは、ほとんど常軌を逸している。手書きで書かれたこれらの文字の微妙な角度を読みとることは、それほど確実な作業ではない。「ク」と「ワ」なんかの区別も付けにくい。これらの違いたるや、外人から見ればほとんど"crazy"の領域であろう。「ノレ」と続けて書かれていると「ル」と読み間違える可能性もある。
ましてや、読み仮名をふらせるそもそもの理由を考えれば、これらをカタカナで書かせることは全く理にかなっていない。もともとパソコンで仮名を表示させる場合カタカナが多かったというコンピュータの歴史がこの現状を生み出しているのかも知れないが、何もそんなことにこだわる必要はないのである。
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