ジェンキンス氏引き渡し要請の方針堅持 米国務省報道官
バウチャー米国務省報道官は15日の会見で、北朝鮮に拉致された曽我ひとみさんの夫で元米兵のジェンキンスさん(64)の身柄問題に関して「彼が日本に来れば、日米地位協定の対象となり米軍の権限下に入る。引き渡しを要請することになる」と述べ、身柄引き渡し要請の方針を堅持していることを確認した。(産経新聞のWebサイトより)
ジェンキンス氏には所定の裁きを受けてもらい、一定期間、牢屋に入ってきてもらうのが当然だ。何も軍法会議にかけられても命まで取るとは言うまい。そうして娑婆に戻ってから、家族4人で暮らせばよいのである。高齢云々を理由にした恩赦等は、裁きを受けた後にアメリカの判断で行うことである。
小泉首相や外務省は、当初から曽我さんに対して「ジェンキンス氏の訴追については、当然のことだからして甘受せねばならないですよ」と、ハッキリと表明するべきであった。それがリーダーシップというものであるし、それ以前に、良識ある人間としては当たり前のことだ。だが彼ときたら、2度目の北朝鮮訪問時に、ジェンキンス氏に身の安全を保証して帰ってきたというではないか。
アンマンの空港に爆弾を持ち込んで死傷事故を起こした毎日新聞の五味記者の事件は記憶に新しいが、このときも重大な事件を起こした者に対し、日本国は外交として恩赦を要請したのである。私はこのときもみっともないと思った。こんなケースでは現地で罪を償ってくるのが当たり前ではないか。罪人を釈放するための交渉を行うなど、国家としての品格が問われる行為であると私は思う。
そんなことは小泉首相とて分かっていないはずもないだろう。だが、メディア受け・国民受けを考えると、結果としてジェンキンス氏が日本で暮らせるようにした方が、うわべだけだが美談の体をなし、支持率アップにつながると考えたのかもしれない。だとしたら、なんとゲスなやり方だろう。
ましてや、水面下のアメリカとの交渉の中で、今後の米軍基地関連予算の増額を約束したりなどしているとしたら、言語道断である。