国税ミスで国民にツケ、都も「相当痛い」…旧興銀勝訴
旧日本興業銀行(現みずほコーポレート銀行)の全面勝訴となった、旧住宅金融専門会社(住専)処理をめぐる課税問題の最高裁判決。
みずほグループは納付済みの国税・地方税と還付加算金(利子)を合わせ、3000億円余りを手にするが、国税当局の結果的な判断ミスにより、約1000億円もの還付金を税金から支払わなければならなくなった。識者らは「不良債権処理を巡る旧大蔵省と国税側のちぐはぐな対応のツケが国民に回った」と批判。約200億円の還付金支払いを求められる東京都は頭を抱えている。(2004/12/24の読売新聞サイトより)
http://nun.nu/www.yomiuri.co.jp/national/news/20041224ic13.htm
記事によると、意図的なのか分からないが、コメントの中に問題のすり替えをしたようなものが多いので、ここで明らかにした方がよいと感じた。
国税庁幹部の話:
「国民の血税を還付金という形で一企業に返還することになり、非常に残念」
そんな言い方はないだろう。単純に興銀から取ったものを返すのだから。
お金に色は付けられないから、事実どうにでも言いようはある。だからといって、ここで血税などという言葉を使って、国民から同情をかおうというのはあまりに勝手。
そもそも国税庁は、国民に謝罪する立場にあるのだ。確かに還付加算金(利子)は、やはり血税から捻出することになる。上記のコメントでは、まるで興銀が悪いみたいではないか。
東京都のコメントも異様だ。都が支払うのは、計約640億円にのぼる。
東京都主税局幹部の話:
「都立病院を一つ作れるぐらいの金額だ」
何だか、ずるい。別に「都の職員の給料○ヶ月分に当たる」とかいう言い方をしたって良いはずなのだ。作る予定もない漠然とした都立病院などという言葉を出して、都民の同情と共感を買おうという算段が見え隠れする。
しかし、都が“かわいそう”なのは事実だ。都税というのは、国税(法人税)の額に連動して決まるから、今回還付金が発生するのも全く以て国税庁のミスのとばっちりなのだ。東京都は、国税庁を相手に加算金分の損害賠償請求を行なうことも考えられるだろう。
読売新聞の見出しは、ハッキリと「国税庁の
ミスで」となっているが、この点は評価に値する。