解散宣言・「正しい日本語を守る会」
紅葉が早い
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2007.11.27
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「紅葉が早い」という表現は、紛らわしい。山本さんは、週末に箱根に行ってきたのである。佐々木さんが、「そういえば山本さん、箱根はどうだったの?」と聞いたとしよう。すると山本さん。
「うん、天気よかったけど、紅葉が早くってねぇ」
この答えだと、紅葉するのが早くて、もう見頃は終わり枯れていたのかもしれない。もしくは、紅葉の見頃には早くて、まだ色づいていなかったのかもしれない。
話し手と聞き手が全く逆に解釈し、意思の疎通に失敗しているにもかかわらずそのことに気づかない可能性がある好例だろう。佐々木さんが山本さんの言葉を信じて、自分が箱根に行くのを2週間後にずらしてしまい、枯れ木を鑑賞する羽目になったらどうするというのか?
無論、文脈から分かる場合も多い。次のケースでは、だいたい通じるだろう。
「今年は例年より紅葉が早いだろう」
「まだいくらか紅葉が早かった」
「紅葉が早い」などという表現は誤りであり、使うべきでないという指摘ももっともである。少なくとも「まだ早い」の意味では使わないに越したことはない。
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