解散宣言・「正しい日本語を守る会」
選手
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2006.10.4
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放送等においてスポーツ選手の名前を言う場合に、これまでは呼び捨て(敬称略)が多かった。しかし、私の感じるところでは、最近では「○○選手」というように、「苗字+選手」の形で呼ぶことが増えたようである。「イチロー選手」「松井選手」「室伏選手」という具合だ。トーク番組やバラエティ番組でならともかく、ニュース番組や試合の生中継で「○○選手」と言われると、何か変な感じがする。
そもそも、この「選手」こそ、とても変な言葉なのである。
「選手」というのは、選ばれて代表として出場する者を指す言葉と解するべきであろう。学校やクラス・地域・国などを代表して大会に出場するのなら「選手」である。しかし、単にチームに入団し、属しているというだけで出場する者や、賞金を得るために出場するゴルファーなどを、「選手」と表現する理由はない。
英語であれば、「プレイヤー」という便利な言葉がある。また、陸上競技の選手は「アスリート」と呼べるだろう。それに、スポーツの競技・種目ごとに「golfer」「swimmer」などと言葉がある場合が多い。しかし、日本語では、そういう便利な言葉がないのである。
そのせいで、「選手」という言葉が濫用されることになってしまったのだろう。
力士の場合には、「選手」と表現されることがないような気がするが、これはやはり、「力士」という言葉が存在しているからなのだろうか。
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