デジャヴュを感じた読者もいるかもしれないが、ここまでは
前にも書いた内容である。私はこれに関連して、そしてこれが原因ではないかと疑っているのだが、言いたいことがある。
というのは、以下のような使い分けは、おかしいし、不必要なのではないかと言うことだ。
(私が異議を唱えたい、使い分けの指針)
・「男性」は「男」の丁寧な言い方、「女性」は「女」の丁寧な言い方
・放送や出版で、容疑者や犯人を「男」「女」と表現し、それ以外は「男性」「女性」と表現する。
・恋人や愛人を連想させ、やや下品な用法としての「男」「女」(例:「男ができた」「オレの女だ」)
とてもおかしいと感じるのは、「男性のかた」という表現である。「男性の方は、こちらにお並び下さい」などという表現が良く使われるが、まだ「男性はこちらにお並び下さい」の方がよい。類似表現に「外国人の方はこちらにお並び下さい」が挙げられるだろうが、これも「外国人はこちらにお並び下さい」で良いはずだ。いずれも、はれものに触る感じがして滑稽だ。
だいたいそれ以前に、本来は「男はこちらにお並び下さい」で十分なはずなのだ。それなのにこう表現するのがはばかられるのは、マスメディアによる上記の使い分けが原因の一つではないかという気がするのである。容疑者や犯人と、それ以外で、何もここの表現を変える必要などないではないか。
「男」に比べて「男性」は、性別の種別を表す言葉であるはずだ。転じて、「男の人」そのものも指すようになったのであろう。何とも奇妙な話である。「女性」もそうだ。最近増えている、列車の「女性専用車両」だって、「女専用車両」と言えば十分なのである。
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