解散宣言・「正しい日本語を守る会」
出かけていない
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2005.6.26
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この言い回しは、殆ど最悪である。
「部長って、今日出かけてた?ずっと会社にいた?」
「今日は出かけていませんでしたよ」
この答えは、「出かけてしまって、会社に居なかった」と「出かけずに、会社に居た」とのどちらとも解釈できる。文脈から判然としないことが多いばかりか、正に今質問したことに対する答えとしての Yes No のどちらの可能性もあるのである。アクセントも一緒だ。
タチが悪いのは、この言葉が両方の意味を表しうるということを、明快に理解しているケースが多分それほど多くないことだ。だから、お互い勝手に違う方向に理解して会話が終了してしまい、意思の疎通に失敗したまま、失敗したことに気づかないで終わってしまう可能性が高い。
「出かけていない」の他にも、「帰っていない」「追い出されていない」など「○○いない」の「○○」が居ないことの理由になりうる動詞なら、全て紛らわしい。モノの場合にも、「持って行かれてない」「捨ててない」など「○○ない」の「○○」が「ない」ことの理由になりうる場合は、紛らわしいのである。
「あれ、おれのフォークって、持って行かれちゃった?」
「持って行かれてないよ」
「おい、ここにあったおれのシャンプー、使っちゃったの?」
「使っちゃってないよ」
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