改めて書かれれば、なるほど当然そうだと思われる内容だろうが、現実としては間違えて使われているのに気づくことがけっこう多いので、取り上げることにする。
注文を出すことが発注、注文を受けることが受注である。
ところが、顧客に対して「ご注文下さいましたら」「ご発注頂けましたら」と言うべき場面で「受注を頂ければ」と言うのを、私はこれまで何度か目にして来た。または、「○○さんから受注した」と言うべきところを「○○さんに受注を頂けました」と表現するなどだ。これらは誤りと言って良いだろう。
「受注」という言葉を好んで使う人種は、「注文」という言葉をほとんど使わず、それに代えて「受注」という語を使う傾向があるように思える。しかし、「受注」は「注文」のかしこまった表現ではない。
議論の分かれるところだろうが、「今日は4件の受注があった」も、「今日は4件の注文があった」か「今日は受注は4件でした」のどちらかに言い換えるべきではないかと思う。
ところで、「発注する」は「注文する」と言い換えても意味が同じだから不思議だ。もしかすると、上の図にはあのように書いたが、「発注」「受注」を「発注する」「受注する」という形で使うのも不適当なのかも知れない。「受注後」「発注処理」などの形で動作を名詞的に表現する必要がある場合のみに使うべきものだと考えた方が自然にさえ思える。
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