解散宣言・「正しい日本語を守る会」
クチコミ
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2007.3.7
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インターネットでは、クチコミというものの実体が、「書き込み」であることが多い。これは「クチコミ」ではなく「書きコミ」とでも言うべきである。
グルメ情報Webサイトや、宿泊施設紹介Webサイトなどで良く、「クチコミを見る」とか「クチコミを書く」とか言うリンクボタンを見かける。しかしその内容を見ると、これをクチコミと表現するのは全く以ておかしい。これは、言葉遊びや揚げ足取りなんかではない。こういうのはどう考えても「クチコミ」とは表現するのは適切ではないハズなのである。
クチコミは、人から人へ、会話の中で伝えられなくてはならない。
しかし、ネットで言う「クチコミ」のほとんどは、掲示板やブログという媒体で発信された、感想やレビューに過ぎない。これが本当の「クチコミ」と異なる点はどこか? 掲示板やブログの「書きコミ」は、たった一回だけ発信された情報が、ずっと残るのである。しかし、「クチコミ」は、会話という性質上、発信された瞬間から情報は消えていく。それでも、その受け手の心に残り、別の人に同じ内容を再発信するからこそ残るのだ。この再発信の繰り返しこそが「クチコミ」であり、必然的に、価値ある情報しか「クチコミ」として生き続けられないのである。だからこそ、「クチコミ」の情報は重宝されるのではあるまいか。
ネットのクチコミでも、電子メールで人から人に伝えられるものなら、まだ「クチコミ」というメタファーも説得力はあるのだが。
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