解散宣言・「正しい日本語を守る会」
先
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2004.2.26
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「先」はまぎらわしい言葉だ。
例えば、「今年は田中さんの結婚式と、杉山さんの結婚式がありますが、どっちの方が先でしたっけ?」と尋ねたとしよう。「杉山さんの方が先だ」と言った場合に、これは二通りに解釈することができてしまう。「先」という言葉には、「時間的に先に到来する」という意味と、「さらに向こうに」という意味がある。尤も、この場合だったら前者に解するのが自然なのかも知れない。
より紛らわしいのは、ドライブ中の会話であろう。運転手が助手席で地図を見ている同乗者に「展望台と、ガソリンスタンドと、どっちの方が先?」と尋ね、「スタンドの方が先だよ」と答えられた場合、結局、現在地から近いのがどっちなのかは、分からない。先に現れるのがスタンドなのか、それとも先の方にあるのがスタンドなのか、区別がつかないのだ。
この紛らわしさは、実害ももたらす。ドライブ計画は狂うし、「曲がるところと、目印の郵便局はどっちが先?」などという会話で行き違いがあると、道を間違える。タクシーを利用して運転手に道を説明する場合にも、「先」という言葉を使うべきではないだろう。
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