最近腹の立つこと
ドアの「押」「引」表示
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2006.2.2
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ドアには、「押」「引」という表示が付いていることがある。押して開けるべきか、引いて開けるべきか、ということであろう。これには実は2通りある。表示されているとおりにやらないと開かない場合と、押しても引いても開く場合とだ。
普通に考えても、押しても引いても開くドアなら、「押/引」とか「両」と表示するか、何も表示しないでくれた方が良い。
押しても引いても良いのなら、押す方が普通は楽だ。動作が進行方向のエネルギーと同じで効率がいい。引く時には取っ手をつかまないと困難だが、押す時は実質的には、ドアのどの場所を押してもOKだ。取っ手を引かなくて良いから手に雑菌が付きにくい。
だから、押しても開くドアなら、「引」と表示されていても押して開けた方が得なのである。
では、押しても開くドアにどうして「引」と表示されることがあるのだろうか。一つ考えられるのは、「右側通行」のような表示と同じく、「ここではそうしてくれ」という一種の規則やお願いの類だということだ。「右側通行」と書いてあっても、たいていの場合は、左側を歩くことは物理的に可能だ。
では、ドアの場合はどうか。例えば内側と外側の両方に「押」と表示されていると困ることがあるのだろうか。突然ドアが開いて危ない可能性があるのは、どちらでも同じだろう。いや、むしろどちら側にも同じ表示があった方が安全なのである。こっちが押そうとしている時に向こうが引くと、二人の力が同じ方向に働いてドアが急に動き、押す側の人はドアと共になだれ込むようにして転倒するであろう。一方で、両側から押したり両側から引いたりした場合は、ドアが動かずにらみ合いになる可能性こそあるかもしれないが、危険はむしろ少ない。
大体、この類のドアはガラスでできていて反対側が見えるし、危ない思いをすることは考えにくい。トイレのドアが例外だが、これは押す側は取っ手がなくて押す以外に方法がない作りの場合が多い。
そういうわけで、私は「押」「引」の表示に関係なく、押してみて開かないドアだけを引くことにしている。よって、押しても開かないドアだけに「引」という表示をして欲しいのである。
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