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思想家T氏が語る
(支配欲満たされず 躍起になる新型コロナ下の政府)
2021.7.9
——   新型コロナウイルスの流行で、政府はあまりの効き目のない「酒類提供禁止」「飲食店の時短営業」などに躍起になっています。先生は、どのように見ていますか。
 「人の自由を奪う」というのは、おそらく人間の根本的な快楽の1つである。このように言うと反対する人もいるだろうが、「支配欲」という人間の普遍的な欲望に由来する快楽と考えられる。人によって強さの違いはあれど、きっとそうだ。

 ところで、政治家という職業を目指すのは、中でも「支配欲」が強めの人が多かろう。だから、政治家というのは、国民の自由を奪うことに快感を覚えやすい人種だと考えることができる。

——   むむむ。そうですか。
 もちろん、むやみに国民の自由を奪うことなどあってはならないが、疫病の流行によって、一定の正当性を以てこれを楽しむことができるようになった。感染の防止を理由に、彼らは、堂々と国民の自由を制限することを主張できるようになったのである。

——   そうですかね?
 自由を奪うこと自体が楽しみなのだから、もう制限のための制限でしかない。新型コロナウイルスは、それを正当化する口実でしかないのだ。

 しかし、制限してみると、どうにも国民が言うことを聞かず、思うように行かない。そうなれば、ムキになってますます過激な制限をかけようとする。それが、今の首相や担当大臣の精神構造だろう。

——   酒と飲食店が狙い撃ちにされているのは?
 これも自明だろう。大手企業は、わりと政府の要請に従うが、中小店が多く、そもそも母数が多い飲食業には、政府に従わないところが出てくる。言うことを聞かないところに、無理やり言うことを聞かせると、支配欲を満たされ、彼らは快感なのだ。

 要するに、為政者の個人的な趣味であり、ゲームであるということだ。

——   それにしても酒の悪者扱いが、行き過ぎてますね。
 酒イコール快楽と捉え、懲らしめるために国民から楽しみを取り上げたいのだろう。だが、こんどは国民が為政者を懲らしめる番にしなくてはならない。

 それに、為政者や官僚は、あれでも一応、新型コロナとオリンピックに振り回されて、残業と休日出勤の激務続きで、酒飲んで遊んでる人を思い浮かべると腹が立つのだろう。まあ、そんなことはなんの言い訳にもならないが。

——   前は良く「オリンピックの時代は終わった」とおっしゃっていましたが、2012年を最後に、主張されていませんね。
 今年で本当に終わったのではないか。

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