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思想家T氏が語る
(建築士に気をつけろ!!)
2015.10.30
——   友人が独立して建築事務所をやっているので、いずれわが家を建て替えるときには頼める人がいて安心です。
 ははは、せいぜい、カモにされないように気をつけることだな。

——   どういうことですか?
 建築士というのは、人の予算で自分の趣味の創作をするという、特異な仕事である。一見、商売としては普通のように見えるが、ちょっと違う。

 普通のメーカーは、低コストで一般受けするものを製造して販売するのが基本である。そこへいくと、建築家は、得てして奇抜な建築をしたいと考えているが、自己の所有する建物としてはお金がなく建てられないので、自分の創作意欲を他人の金で満たすのである。

 従って、建築士は、友達や親戚、“友達の友達”が家を建てる機会を手ぐすねを引いて待っているのである。金持ちなら金持ちなほど、ありがたい。予算が取れるだけでなく、金持ちのプライドをくすぐれば、より芸術性の高い奇抜な建物でも受け入れてくれるのだから。

 知り合いの建築士に自分の家を建てさせるなんて、とんでもないお人好しと言わざるを得ない。

——   なんか、偏見に満ちてないですか?
 金持ちの家は、近年、だいたい住みにくくて奇抜だ。それは、金持ちは横のつながりが多く、建築士の知り合いが多いからだ。逆に、金持ちを食い物にして渡り歩いている建築士は、金持ちから別の金持ちを紹介してもらっては、他人の金で自分の自己満足の作品を作るのだ。

 奇抜で、暖かみを感じない、ただ住みにくいだけの家を建てられて、そこに住んだ家族はもう家庭崩壊なのだ。事実、そういう家庭を私は知っている。結果、子は自殺、両親は離婚という悲劇の結末だった。

——   きょ、極端ですね??
 ほんとうの話だ。だから、知り合いに建築士がいるなら、食い物にされないように、気をつけねばならない。

 賃貸物件を建てるにしても、余計なお金をかけて建てて「デザイナーズ物件」のようにされたところで、それによって家賃を多く取れるわけでもなく、単に高コストになるだけだ。

——   まあ、そういう側面もあるかもしれませんね。
 側面どころではなく、本質だ。公共工事がその最たるものだろう。東京国際フォーラムだって、東京都庁だって、普通に四角いのを建てれば100億円ですむものに500億円かけたようなものだ……都庁の場合は1500億円だったかな?

——   そういえば、白紙撤回になった「新国立競技場」もひどいものでしたね。
 あれなど、自ら「私はカモですから、私のお金で、あたなの芸術作品を作ってみませんか?」と言ったようなものである。

 「お金はたっぷりあるから、奇抜なものを作ってね」と言って公募したのだろう? 馬鹿げている。

 「300億円で競技場を作れるプラン、募集!」とやれば、もっとクールでコンパクトなプランができあがっただろう。箱もの行政は、建築士の創作意欲の食い物でしかないのである。

名無し さんのコメント:
これは他の職種にも当てはまることなのではないですか?
なぜ建築士だけを取り上げて仰っているのか、その理由を知りたいです。
No.3
さんのコメント:
資本主義の常識 No.2
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