(「
(マラソン禁止法を作れ)」からの続き)
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そうは言っても、痩せるのは事実ではないのですか? カロリーは消費するし、マラソン選手はみんな痩せています。
話は変わるようだが、有名私立高校がどうして、東大合格率が高いか分かるかね?
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そりゃ、やはり、授業内容や教育方針が優れているのではないですか?
は、は、は。そうとは限らない。入学試験によって、優秀な子どもを取っているからだ。一旦、上位校の地位を得ると、自然と優秀な学生が集まり、何もしなくても、難関大学進学率も高まるのだ。実際、ただそれだけの話かもしれない。
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マラソンと何の関係があるのですか?
有名なマラソン選手がみんな痩せているからといって、「マラソンをすると、カロリーを消費して、痩せる」という思考は、短絡的すぎるのだ。
太っている人は早く走れないから有名マラソン選手になれない。国際大会やテレビに出てくる有名マラソン選手が、痩せている人ばかりなのは当然なのだ。
「相撲をすると太る」のではなく、「太っていないと、相撲が強くならない」。「女優になると美人になる」のではなく、「美しくないと有名な女優になれない」。それだけのことだ。
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なるほど。確かに、私たちはガリガリのマラソン選手を見て、「走っているから痩せている」と勘違いしてしまいますね。
有名なマラソン選手が痩せているのは、走っているからではない。痩せている選手が速く走れて、結果、有名なだけだ。いや、速く走るために、「走る」以外の手段で過酷なダイエットをしているかも知れないのだ。
スリムなマラソン選手を見て、その体型にあこがれるのなら、走ることを真似するのではなく、体型を維持するために他に何をしているかを研究するべきだろう。それは、ボクシング選手と同様に、過酷を極める地味なダイエットに他ならないかも知れない。