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思想家T氏が語る
(休肝日・お酒が飲めないことが淋しいのではなくて)
2014.2.14
——   先生は、「休肝日」と称して、月に2〜3日、全くお酒を飲まない日を設けているそうですね。
 うむ。

——   しかし、先生ほどお酒がお好きな人が、全く飲まない日なんてどんな気持ちで過ごすんですか?
 それはそれは、たまらなく淋しいのう。

——   お酒が飲めないことが、「淋しい」と?
 違うのだ。

 「お酒が飲めないこと」が淋しいのではなくて、「お酒が飲めないと思うこと」が淋しいのだ。

——   え?
 大事MANブラザーズバンドの歌を知らないのか。彼らの唯一のヒット曲「それが大事」の中では、そのことが歌われている。

——   お酒の歌だったのですか?
 実際、夕方になって牛丼やラーメンでも食べてしまえば、腹いっぱいで、別に酒を飲みたいなどとは思わなくなる。腹がまだ減らぬうちに寝れば、飲みたくもならなければ、淋しいとも思わぬ。

 問題は、朝から夕方までの時間帯なのだ。この間は、「ああ、今夜は酒を飲む楽しみがないのか」と思うから、たまらなく淋しい。まるで、誰もいない遊園地のようだ。

——   なるほど、休肝日で辛いのは、本来飲むはずの夜の時間帯ではなく、むしろその前の昼間の時間帯だと?
 だから、なるべくなら休肝日など前もって決めない方がよい。夕方になって、たまたまそれほど飲みたくなくて、むしろラーメンでも食べたいときには食べてしまって休肝日にすればよい。そうすると、「休肝日の日中」という悪魔の時間を過ごさなくて済む。

——   それは、良い考えですね! しかし先生、最近の研究では、休肝日というのは本質的に不要で、1週間に飲む酒の総量を抑えることの方が大事だそうですよ。
 酒の総量を抑えていれば、酒を抜く日は不要である、それはまことであろう。しかし、わしが休肝日を取るようにしている真意は、実は別のところにある。

 その気になれば休肝日を取ることができる。そのことによって、自分自身がまだアル中つまりアルコール依存症でないことを証明し、確かめているのだ。

——   そ、そんなに深刻なのですか(^_^;
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