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友人が結婚し、そろそろ家を購入することを考えていて、マンションにするか一戸建てにするか迷っているそうです。しかし、多額の借金をすることになりますし、私は、一生賃貸の方が身軽で良いと、アドバイスしようかと思います。
自宅に関しては、「賃貸と購入どちらがよいか」と、「マンションと一戸建てはどちらがよいか」が、良く議論されている。記事でも良く見かけるが、その大体が、生涯で支払うことになる金額を妙なグラフにして、結局は同じだとか、どっちの方がいいだとか、思いのままに結論づけている。実にくだらない。
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なぜですか?
こういった計算で、必ずといっていいほど抜け落ちている点がある。意図的に無視しているのかも知れない。
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何が抜け落ちているのでしょう?
子供や子孫への相続だ。
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説明して下さい。
まず、賃貸か購入かについてだが、「一生で払う総額」を比べている記事は、ある夫婦一世代だけについてしか計算していない。しかし、ローンを完済してしまった物件は、そのまま子供に相続して、子供はタダで住み続けることができるのである。もちろん、固定資産税や修繕費、建て替えなどの費用はかかるが、少なくとも、土地の分については子供の代からは払わなくて良い。庶民レベルの資産であれば相続税も不要だろう。
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なるほど。で、マンションvs一戸建ては?
もう分かるだろう。相続を考える以上は、マンションなどという選択肢はあり得ない。同じマンションに先祖代々、子孫代々住み続けるなんていう話はあり得ない。同じ土地にこそ、建て替えを繰り返して住み続けることができるのだ。土地は永続的なものだが、マンションは、一世代限りのものと考えるべきだ。よって、ちゃんと土地を購入することが大切だ。
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でも、転勤の多い人は賃貸の方がいいです。それに、失業や病気などでローンが払えなくなるかも知れません。一方、マンションの利点もあります。管理が楽とも言いますし、眺望や豪華な設備も魅力です。階段がない方が老後も安心です。
まあ、いろいろな要素はあるが、あくまでも「お金の計算の上では」の話だ。しかし、不測の事態や相場変動などを別にすれば、つまり「一生で支払う総額が」などという議論で、今わしが言ったようなことが全く抜けているのでは、話にならない。金のことで言うなら、土地を購入するのが良いはずなのだ。
もちろん、子供が居ない夫婦はこんなことは考える必要はない。一方、昔のように三男四男と子供がたくさんいる場合でも、長男だけでも土地をもらえるならその分トクだ。買い手の付かない老朽化マンションなどもらっても迷惑なだけだ。
そして、こういう考えで日本全体の家庭が土地を買っていて、人口が増えていないなら、おおむね土地は親からもらえるもので購入について悩む必要はなく、単に建て替えのことだけを考えれば良くなるのである。不動産屋も商売あがったりだな。
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ハハハ、それはどうでしょうか(^^;;