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先生が
前に言っていた竹島の問題を国際司法裁判所に訴える件ですが、いよいよ政府が重い腰を上げたようですね。
うむ、心配だな。
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どうしてですか。日本のものに間違いないのですよね?
竹島が日本固有の領土であることは、真実として疑いがない。だが、裁判所は必ずしも真実を裁くところではないからな。日本の刑事裁判でも、冤罪が数え切れないのが現実だ。
韓国は、あの通りの国だ。あの手この手で国際司法裁判所に汚い根回しをしたり、捏造した「証拠」を出してくるだろう。しかし、それだけではない。各国から派遣されている裁判官もそれぞれの事情があり、真実を裁くとは限らないことだ。
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どういうことでしょう?
もし国際司法裁判所が、竹島を日本のものだと断じたら、韓国はどうなるか? 韓国人のプライドはズタズタになり、国際社会から見放されて孤立したような心境に陥ることは想像に難くない。
そうなると、20世紀初頭の日本が国際連盟を脱退して戦争への道を歩んだように、韓国もやがては、すねて、世界を敵に回すような行動に出るかもしれないのだ。
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それは言えますね。
だから、残念なことだが、世界平和の観点から言えば、竹島は韓国に属するとした方が国際平和に寄与するだろう。
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では、先生は、竹島を韓国領とするべきだとおっしゃるのですか?
バカ言ってはいけない。それとこれとは別だ。
だが、外務相の判断は分からん。日本の外務省は、とにかく日本の国益を切り売りして自分の保身に努めてきた、トンデモ役所である。
外務省にしてみれば、国際司法裁判所で争って、いっそのこと負けた方が、国内の保守派が「竹島を守れ」とかうるさく言わなくなって、かえって好都合だと考えている可能性がある。
裁判を真剣に戦わず、わざと負けることによって、韓国との友好関係を維持し、国内の保守派を黙らせる。そうして、今後竹島のことで国内から突き上げられようものなら「裁判で結論が出たから仕方がない」と胸を張って言えるから、外務省にとっては「いいことづくめ」なのである。