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先生、私のところにもねんきん特別便が来ました。しかし、どうも、学生時代に払っていたはずの国民年金がなくなっているようです。
まったくひどい話だ。
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社保庁の職員の年金、同じように消えたりしているのでしょうか。
さあどうかね。消えていないだろうね。
しかし、消えた年金の率と同じだけ、社保庁職員の将来の年金給付は減額するべきだろう。受給中のOBも含めてね。
そうすれば、少しは自分たちの問題ととらえて、真剣に取り組むだろう。不明な年金の率を減らせば、それだけ彼らの給付も元に戻してやる。
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でも社保庁の職員は、ただのサラリーマンです。彼ら一人一人にまで、責任は求められないのではないですか?
ばか言ってはいけない。そんな甘えた話、民間企業なら通じる話ではない。
たとえば旅客機で、ミスにより機内食の積み込み数が足らなかったとする。そんなとき、機内食をもらえない乗客がいる一方で、乗務員はみんな機内食を食べているなんて馬鹿な話はないだろう。まず乗務員が辞退し、それでも足りなくて初めて、乗客の分が足らなくなるのではないか。
機内食が足りないのが乗務員のせいではなく、地上の職員のミスであったとしてもなお、そんなことは全く問題にならないだろう。
しかし、現状は正に、一部の乗客が機内食にありつけていないのに、乗務員は全員ちゃっかり食べているのも同然なのである。こっちは払ってきた年金が、社保庁のせいでなくなってしまっているのに、それに対応している社保庁の職員は涼しい顔で満額給付される……なんて、こんなばかな事に黙っている国民はちょっとお人好しすぎる。
機内食のたとえでも分かるように、普通の感性を持っていれば、とても申し訳なくて箸をつけられず辞退するのが当然であろう。社保庁でも志ある職員たちで、「私たち一律、受給する年金のうち○○%は辞退します」ということを言う一派を結成したっていいくらいなのだ。
彼らが当たり前の顔をして年金を受け取るのは、人として恥ずべきことだと言えよう。