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解散宣言・「正しい日本語を守る会」
芸能界に入る
2012.3.13
 芸能人が、「私が芸能界に入ったきっかけは」とか「芸能界に入ってから」とか語ることがあるが、この表現に何か違和感があると思ったことはないだろうか?

 問題の一つは、このような表現をする限り、「芸能界」には確固たる内と外を分ける境界線があって、芸能界に居るか居ないかはゼロイチで区別可能で中間段階がないことが前提となることだ。しかし、現実には、芸能界の仕事だけでは食えずに、全く関係のないアルバイトをしているケースだってあるだろう。もちろんこの場合にも、「私は芸能人だが、アルバイトをしている」と主張すれば、ゼロイチのイチであり、中間段階ではないと言える。

 芸能界が「入る」ところなのであれば、当然、「芸能界を出る」というケースもなければならない。しかし、この場合、当の芸能人は「引退する」という表現を好み、「芸能界を出た」とは言わないのが普通だ。

 もう一つの問題は、何となくだが「お前を芸能界に入れた覚えはない」という気がしてしまうことだ。「芸能」ではないのだから、別に入会手続きをとって会員資格を得るようなものではないのだが、響きとしては、和田アキ子や堺正章など“芸能界のドン”の承認を得て「芸能界に入れた」かのような想像をしてしまう。

 同様の言葉は、他にもある。「スポーツ界」「政界」「社交界」など、挙げればキリがないだろう。だが、これらの言葉には、普通は「入った」という言葉を使わないのである。そこに身を置いている、そこで活躍している、などと表現することはあっても、「入る」ような対象ではないのである。

 芸能界に話を戻そう。「芸能界に入った」という表現は、「芸能の仕事を始めた」というよりも、「芸能人の仲間入りをした」というニュアンスが感じ取れる。芸能のプロとしての発言というよりは、非常に個人的な話のように思える。それが証拠に、第三者が「○○さんは芸能界に入った」とはあまり言わない。もっぱら、本人か、せいぜい親などが「芸能人として認められた」という満足感があまって使う表現なのだろう。それが故に、聞いている私たちの方が、若干、小恥ずかしさを感じさえするのだ。

【免責】このページは、筆者の考えで構成されているものに過ぎません。筆者は国語の専門家ではないこと、記述の正当性は何ら検証されていないこと、記述を参考にしたり転用したりした結果について責任を持てないことをお断りしておきます。
とどのつまり さんのコメント:
芸能界引退後も特別視されるのはごくわずか No.13
例示 さんのコメント:
「愛の限界」を歌った人:フラワーデザイナー
「君とコスモス」で太田裕美とデュエットした男性:ダンススクールのオーナー
元青い三角定規(二代目)の紅一点:派遣会社の社長
「硝子坂」でデビューした女性歌手:某相撲部屋のおかみさん
「お元気ですか」でデビューした女性歌手:親の介護に長く専念
他に欽ドンに出演した女性タレントも大部分は普通の主婦
Etc
上記はいずれもマスコミからも注目されなくなった元芸能人の例
No.12
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