解散宣言・「正しい日本語を守る会」
「○○○○もらってもいいですか?」
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2015.2.26
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最近頻繁に使われる依頼の表現に、「お水をもらってもいいですか」「荷物を預かってもらってもいいですか」などのようなものあがる。
モノを要求する場合は、「○○○をもらってもいいですか?」で、行為を要求する場合は「○○○○してもらってもいいですか」などのように使うようだ。
しかし、私にとってこのような依頼表現は違和感100%で、むしろ言われたらムッとするものである。
これらの正しい言い換えは「お水をもらえませんか?」「荷物を預かってもらえませんか」という表現である……と思っていた。しかし、もしかするとこれらの表現も、“出始め”の頃は、違和感があったのかも知れない。
依頼文としては、「お水を下さい」「荷物を預かって下さい」のほうがよほど自然である。それを、どうして、否定形+疑問文という屈折した表現にする必要があるのだろうか。「お水をもらえませんか?」という頼み方は、表現を補うと、「(どうせだめでしょうけれども、一応聞きますが、やっぱり)お水をもらえませんか?」ということなのだろう。こんなものは、素直な依頼とは言えない。
一方で、「○○○○してもらってもいいですか」は、否定でこそなくなったが、主語が入れ替わっていて、もはや日本語として変である。「水をもらう」の主語は、自分だ。「ここに座ってもいいですか?」と同じで「水をもらってもいいですか?」は許可を求めるための表現なのである。
そのため、「お水をもらってもいいですか?」と言われた場合は、「そりゃ、誰かにもらうのはアンタの勝手だけど、私はあげないよ」とでも言いたくなる。
「お水をもらえませんか?」と言われたら、「いえいえ、あげないとは言っていませんよ」と答えたくなるのと対照的だ。この表現の場合は省略せずに言うと「(私はあなたに)お水をもらえませんか?」であるからなのだろう。
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